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目の病気

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白内障

■白内障とは

眼の構造はよくカメラに例えられます。カメラのレンズに相当するのが水晶体です。
水晶体の中身は透明な組織でタンパク質と水分から構成され、「皮質」と「核」に分かれています。
正常な水晶体は透明で、光をよく通します。

白内障とは

しかし、さまざまな原因で水晶体の中身のタンパク質が変性して、濁りが生じます。
水晶体が濁ると光がうまく通過できなくなったり、光が乱反射して網膜(カメラではフィルムに相当する)に鮮明な像が結べなくなり、視力が低下します。
そのため曇りガラスを通してものを見るような感じになってしまうのです。

白内障とは

■白内障の症状

水晶体の濁り方は人によって違うため、症状はさまざまです。
・まぶしい、かすんで見える … 一番多い白内障の初期症状
・近視が進む、明るいところで見えにくい
・視力の低下

■白内障の原因

・加齢 … 最も多い原因です。個人差はありますが誰にでも起こる老化現象です。
・アトピー性皮膚炎、糖尿病などの全身疾患
・ぶどう膜炎など白内障以外の眼の病気
・外傷 … 目のけが、目に入った異物によるもの
・先天的なもの … 風疹など
・その他 … 放射線、ステロイド剤の長期点眼、紫外線など

■白内障の治療

・点眼薬
白内障の進行を遅らせます。(症状が改善することはありません)

・手術
一度濁った水晶体は元には戻りません。そのため根本的な治療は手術しかありません。白内障が進行して、日常生活に不便を感じるようであれば手術を考えます。

<手術を考えるタイミング>
・視力が低下して、仕事に支障がある。
・外ではまぶしくて極端に見えづらい。
・視力が0.7以下になって、運転免許の更新ができない。

緑内障

■緑内障とは

目の圧力(眼圧)が上昇し、視神経が圧迫されて傷つき視野が狭くなっていく病気です。

緑内障とは

■緑内障の種類

・原発開放隅角緑内障
房水の出口である線維柱帯が徐々に目詰まりし、眼圧が上昇します。
ゆっくりと病気が進行していく慢性の病気です。

・正常眼圧緑内障
眼圧が正常範囲(10~21mmhg)だが視神経が障害される。
開放隅角緑内障に分類される。
日本人の緑内障の約6割を占める。

<原発開放隅角緑内障イラスト>

<原発開放隅角緑内障イラスト>

・原発閉塞隅角緑内障
隅角が狭くなり、房水の流れが悪くなり眼圧が上昇する。
慢性型と急性型があります。

<原発閉塞隅角緑内障イラスト>

<原発閉塞隅角緑内障イラスト>

・続発緑内障 他の眼の病気やステロイドホルモン剤の長期点眼による緑内障。

・先天緑内障

■緑内障の症状(2種類)

・一般的に緑内障はほとんど自覚症状がない。
視神経の障害はゆっくりと起こり、視野(見える範囲)も少しずつ狭くなっていくため、目に異常を感じることがありません。そのため知らないうちに病気が進行していることが多いのです。

・急性の緑内障の症状(緑内障発作)
眼圧が急激にあがり、眼痛・頭痛・吐き気などを起こします。

■緑内障の治療

・点眼薬
緑内障の種類、眼圧の高さ、視野欠損の度合いに合わせて数種類の薬(房水の産生を抑える薬・房水の流出をよくする薬など)があります。

・レーザー治療
レーザー光をあてて房水の産生機能を押さえたり、隅角から房水が流れやすくなるようにします。外来で安全にできます。

・手術
房水の流れを妨げている部分を切開し流出経路をつくったり、毛様体での房水の産生を抑えます。

糖尿病網膜症

■糖尿病網膜症とは

成人の失明原因の第1位

網膜には細かい血管が張りめぐらされています。糖尿病にかかって血糖値の高い状態が続くと、この細かい血管に多くの負担がかかり血液の流れが悪くなります。そのため網膜が痛められ、視力が障害される病気です。

■糖尿病網膜症の進行段階別の症状と治療

『初期の網膜症(単純網膜症)』
網膜の血流が悪くなり始めた初期段階。
*症状:全くない。
*治療:糖尿病の治療。網膜循環改善薬の服用。

<正常な網膜>

<正常な網膜>

<初期の網膜症>

<初期の網膜症>

『少し進んだ網膜症(増殖前網膜症)』

血管が詰まり、網膜の一部に血液が流れていない部分ができます。
*症状:ほとんどない。黄斑部(視力の中心部)に浮腫が起こると視力が低下。
*治療:血糖のコントロール・虚血部分にレーザー治療を行います。
<少し進んだ網膜症>

<少し進んだ網膜症>

『かなり進んだ網膜症(増殖網膜症)』

虚血部分に酸素や栄養を送ろうと新生血管が伸びてきます。新生血管は大変もろく出血しやすいです。
新生血管が破れて出血が広がると視力が低下します。

*症状:視力の低下、飛蚊症(黒い点やゴミのようなものが見える)
*治療:黄斑部(視力の中心部)を除く網膜全体にレーザー治療を行います。硝子体手術を行う場合もあります。

<かなり進んだ網膜症>

<かなり進んだ網膜症>

網膜ハクリ

■網膜剥離とは

網膜は眼の奥にある膜でものを見る重要な部分です。
カメラに例えるとフィルムの役割を果たしています。
網膜がはがれて浮き上がってしまうのが網膜剥離です。

網膜剥離とは

■網膜剥離の原因

・加齢:最も多い原因
・眼球の打撲など
・糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症など
・強度近視:近視の強い若い人に多い
・その他

加齢黄斑変性

■加齢黄斑変性とは

高齢者の失明原因のひとつ。
加齢により黄斑が変化して起こる疾患です。(詳しくは下のイラストを参照してください)
黄斑は網膜の中でものを見るために最も重要な部分で、視力に最も関わりが深く、色を識別する細胞のほとんどがこの部分にあります。
その他危険因子として、全身疾患(心血管疾患や高血圧)・喫煙・栄養の偏り(亜鉛不足)などがあげられています。

加齢黄斑変性とは
加齢黄斑変性とは

■加齢黄斑変性の症状

加齢黄斑変性の症状

・変視症:ものがゆがんで見える

・中心暗点:見ているものの中心がかけて見えない

・視力低下

■加齢黄斑変性症の検査

加齢黄斑変性症の検査

・眼底検査:眼の底にある網膜の状態を調べます。
・蛍光眼底撮影検査:腕の静脈に蛍光色素を注射してから眼底の写真を撮ります。

■加齢黄斑変性の治療

黄斑変性の種類や変性の起きている場所によって治療法が違います。

・レーザー光凝固
・硝子体手術:大量の出血や黄斑の近くに変性がある場合
・止血薬や出血吸収薬の内服
 ※早期治療で視力を保つことが可能です。
 ※定期的に眼のチェックをしましょう。

近視・遠視・老視

■ものが見える仕組み

目に入ってきた光は角膜・水晶体(カメラのレンズの役割を果たす)を通り屈折して網膜(カメラのフィルムの役割を果たす)に到達します。
目は網膜でピントを合わせるために水晶体の厚さを調節します。

ものが見える仕組み

■屈折異常とは

目の屈折状態は眼軸の長さとレンズである角膜・水晶体によって決定されます。
眼軸の長さが長すぎたり、短すぎたりすると、遠くのものを見たときに網膜でピントが合わなくなります。
角膜・水晶体の屈折力が強すぎると、遠くを見たときに網膜の手前でピントが合ってしまいます。

屈折異常とは

■近視について

【近視の種類】

・単純近視(学校近視)
遺伝や環境の影響などにより、小学校高学年~中学校くらいで始まる近視を単純近視と呼びます。病気というより身長や体重と同じ個人差です。

・強度近視
幼児期の段階から近視が始まり進行します。眼軸が異常に長くて近視の度が強いため、メガネをかけてもあまりよく見えるようにはなりません。眼球の奥行きが長くなるため、網膜が引き伸ばされ非常に薄くなり、出血や網膜剥離を起こしやすくなります。

※仮性近視
近くのものを見ると、ピントを合わせるため眼の筋肉は緊張します。長時間近くを見続けたあと、眼の筋肉の緊張がとれず近視と同じような状態が続くことを仮性近視といいます。読書やテレビゲーム、OA機器操作など、近くを長時間見続けるとなりやすいです。眼の筋肉の緊張をとる点眼薬で治療します。遠くを見るように心がけることも効果があります。

【近視の矯正】

・メガネ
遠くが見えにくくなるなど不便なときはメガネをかけてください。常にかける必要はありません。メガネをかけたり外したりしても、近視の度が進むようなことはありません。

・コンタクトレンズ
角膜の表面に接触させて使用するレンズです。

 -メリット-
 ・左右の視力に差がありすぎてメガネが使えない場合
 ・メガネのように曇らない
 ・視野が広くなる など

 -デメリット-
 ・慣れるまで時間がかかる
 ・異物感がある
 ・角膜を傷つける場合がある
 ・アレルギー性結膜炎を起こす場合がある

 ※コンタクトレンズを希望される方は眼科の医師と相談してください。
 ※取り扱いや管理が大変なので小学生の間はメガネをおすすめします。

【近視の治療】

・点眼薬
近視になりかけの仮性近視の時期に使います。目の緊張をとる点眼薬などがあります。

・手術
角膜を削るレーザー手術(レーシック)や角膜を切開する方法などがあります。
強度の近視では効果が弱く、安定した視力が得られない場合や後遺症が残る場合もありますので、十分説明を聞いて納得してから受けるようにしてください。

【近視の進行防止対策】

1.身体にあった机とイスを使う。
2.適切な照明。
3.正しい姿勢:目と本の距離は30cmくらい離す。
4.目を休ませる:読書や勉強を1時間したり、テレビを見たら遠くを5分~10分見る。テレビゲームを40分以上続けない。
5.バランスのよい食事:緑黄色野菜などを十分にとる。

■遠視について

【遠視とは】

・遠視は遠いところを見るときも、近いところを見るときもピント調節をしないとよく見えない屈折異常です。遠くがよく見える状態ではありません。
・網膜の後ろにピントが合っているので、常に眼の筋肉を緊張させてピントを調節しなくてはいけません。
・とくに近くを見るときは強い調節が必要で、眼精疲労を起こしやすくなります。

【遠視の症状】

子どもの場合、遠視であっても調節力が強いため症状が現れない場合が多いです。しかし、強度の遠視になったり、軽度でも年齢とともに次のような症状が現れます。

・目が疲れやすい
・集中力がない
・見にくそうにする

※遠視の度が強くなると、内斜視になることがあります。
※視力の発達が不十分な幼児の場合、放っておくと弱視になったりします。

【遠視の矯正】

凸レンズのメガネ、コンタクトレンズで矯正します。

遠視(屈折以上)

■老視(老眼)について

【老視(老眼)とは】

・老視は老化による調節異常で、近いところを見るときにピントが合わない状態です。
・40歳前後から始まります。

【老視(老眼)の症状】

近くが見えない状態で無理をしていると、次のような症状が現れます。

・目の疲れ
・頭痛
・肩こり
・吐き気

【老視(老眼)の矯正】

・メガネなどの凸レンズで矯正します。
・老眼の進行が止まる65歳頃まで、進行に合わせてこまめにレンズを変える必要があります。
・遠近両用レンズは、近視・老眼両方ある人に大変便利です。慣れが必要で、めまいや視力不良が現れる場合もありますので、眼科医にご相談ください。

老眼(調節異常)