症状から見る目の
病気

目が痒い

目の痒みは、日常的によく経験する症状ですが、その原因は様々です。特に多いのがアレルギー性結膜炎で、花粉や塵、ペットの毛などが引き金となり、目の充血や痒みを引き起こします。季節性や通年性など、様々なタイプがあります。
アレルギー性結膜炎の治療では、抗アレルギー薬やステロイド点眼薬が用いられます。
また、目の痒みの原因としては、ものもらい(麦粒腫)の初期症状である場合もあります。

考えられる疾患

  • ドライアイ
  • 結膜炎
  • ものもらい
  • 眼瞼炎

目が痛い

痛みが目の表面なのか目の奥にあるのかで治療法は変わってきます。目の表面の異物感や刺すような痛みは、ドライアイや異物の混入がほとんどです。
一方深刻なのは、目の奥の鈍痛です。目の奥の鈍痛は眼精疲労や急性緑内障発作などの可能性があります。痛みが収まっても症状を放置せず、迅速に当院までご相談ください。

考えられる疾患

  • 眼精疲労
  • 麦粒腫
  • 霰粒腫
  • 結膜炎
  • 結膜・角膜異物
  • 急性緑内障
  • 角膜炎
  • ぶどう膜炎(眼内炎)

目が充血する

テレビやスマートフォンを長期間視聴したり、長い期間紫外線に曝されたり、ゴミや異物などが入ったりすると、結膜の毛細血管を拡張させ、目の充血を引き起こします。多くは自然に改善します。しかし、時間が経過しても収まらない場合は、流行性角結膜炎など感染症の可能性も考慮しなければなりません。 

考えられる疾患

  • 結膜炎
  • ドライアイ
  • ものもらい
  • ぶどう膜炎
  • 角膜炎

目やにが出る

多量の目やにや、黄色や緑色の目やには、細菌やウイルスによる結膜炎など、炎症性の疾患が潜んでいる可能性があります。乳児の場合は、生まれつき涙道が塞がっている先天性鼻涙管閉塞によって、目やにが多くなることもあります。
目やにの量や色がいつもと違うと感じたら、それは目の健康状態に変化が生じているサインかもしれません。早めに眼科を受診し、原因を特定することが大切です。

考えられる疾患

  • 結膜炎
  • ドライアイ
  • ものもらい
  • 角膜炎

目が乾く

目の渇きにお困りの方は多いのではないでしょうか。目が乾燥してしまう原因としてはいろいろなものが考えられ、例えばスマートフォンやパソコンを長時間にわたって見続けることで瞬きの回数が減って乾燥してしまったり、「湿度が低い」「エアコンを使用している」など季節的な要因にも左右されます。
生活習慣を見直すことで改善することも多いですが、目の病気による場合もあります。「ドライアイ」という病気は涙の成分が変化したり量が減ってしまうことで、結膜や角膜を乾燥させてしまいます。それが重症化すると目だけでなく全身に違和感や痛みが広がることもあります。
ドライアイの治療には、潤い成分が配合された目薬や人工涙液を点眼し、目の乾燥を防ぎます。また重症の場合は、涙点(涙が通る道)に小さなプラグを入れ、涙の量を一定に保つ方法がとられます。

考えられる疾患

  • ドライアイ

視界がかすむ

目を酷使すると、一時的な疲労によりかすみ目が生じます。ほとんどのケースにおいて、適切な休養を取れば症状は改善するので問題となる事はありません。しかし、症状が収まらなかったり、痛みや頭痛などを伴ったりする場合は、緊急性が高い可能性があります。速やかな受診をおすすめします。

考えられる疾患

  • 老眼
  • 緑内障
  • 白内障
  • 黄斑変性症
  • 糖尿病性網膜症

見える範囲が狭くなる

視野の一部が欠けたり、黒いすすが見えたりする場合は、網膜剥離や緑内障の可能性があります。強度の近視やアトピーによる合併症、加齢に伴う硝子体の変化などが主な原因です。 特に緑内障は、中年期以降に発症率が高まります。自覚症状に乏しいまま進行し、気づいた時には手遅れになってしまうケースもあります。
眼底の網膜の血管(静脈)が閉塞して出血が起き視野欠損を生じます。高血圧や動脈硬化症発症の危険因子で黄斑部に浮腫を生じた場合は抗VEGF硝子体注射やレーザー治療を行います。
視界に異変を感じたら早急に眼科を受診するようにしましょう。

考えられる疾患

  • 網膜剥離
  • 緑内障
  • 網膜静脈分枝閉塞症

二重に見える

物が二重に見える複視は、片眼性と両眼性に大別されます。片眼性は、屈折異常、ドライアイ、白内障などが主な原因です。一方で両眼性は、眼球運動障害や脳血管障害など、より深刻な疾患の可能性があります。

考えられる疾患

  • 乱視
  • 白内障
  • 眼位異常・眼球運動障害

歪んで見える

ものが歪んで見える状態を「変視症」と呼びます。格子状のものが歪んだり、中心部が暗くぼやけて見えたりするのが特徴です。変視症は、網膜に何らかの障害を引き起こしている可能性があります。特に黄斑の障害である加齢黄斑変性症は、高齢者に多い変視症です。放置すると重症化や失明のリスクが高まることから、早期発見と治療が予後を大きく左右します。

考えられる疾患

  • 加齢黄斑変性症
  • 糖尿病網膜症
  • 黄斑前膜
  • 中心性漿液性脈絡網膜症
  • 網膜静脈閉塞症

暗いところで見えにくい

夜間や暗所で物が見えにくくなる症状を「夜盲」と呼びます。健康な眼の場合でも、暗い環境に順応するまでに時間がかかるのが通常ですが、眼疾患がある場合、その適応力が低下し、夜盲の症状がより顕著に現れます。夜盲の原因は、白内障、網膜色素変性症、ビタミンA不足、緑内障、糖尿病網膜症などさまざまです。

考えられる疾患

  • 縮瞳
  • 網膜色素変性症
  • 白内障

まぶたが腫れる

まぶたの腫れにはさまざまな原因があります。
一般的な原因としては、

  • アレルギー(局所性・全身性)
  • ものもらい(麦粒腫・霰粒腫)や毛包への感染

などが多いですが、こういった一般的なまぶたの腫れに対しては抗菌薬やステロイド点眼薬などを処方しますが、一般的ではない下記のような原因もあります。

  • 身体のむくみ(浮腫)
  • 甲状腺機能亢進症
  • 甲状腺機能低下症

またほかに眼窩蜂窩織炎や海綿状脈動血栓症など重篤な疾患が原因となるものもあり、一般的ではない上記のような疾患が原因のまぶたの腫れに対してはまぶたに対しての局所治療に加え、原疾患への治療が必要となることがあり、注意が必要です。

考えられる疾患

  • ものもらい(麦粒腫、霰粒腫)
  • 感染
  • アレルギー など

涙が出る

過剰な涙は、大きく分けて2つの原因があります。ドライアイによる反射性流涙と、鼻涙管閉塞による器質的流涙です。
反射性流涙は、ドライアイにより眼表面が乾燥し、不快感や異物感が生じることで、反射的に涙が過剰に分泌される状態。一方、器質的流涙は、鼻涙管が何らかの原因で閉塞し、涙が鼻腔に排出されずに目に溜まって流れ出てくる状態です。

考えられる疾患

  • ドライアイ
  • 鼻涙管閉塞