オルソケラトロジー
オルソケラトロジーについて
一般的なコンタクトレンズとは異なり、寝ている間に特殊な形状をしたオルソケラトロジーレンズを装用し、角膜の形状を平坦化して近視を矯正する方法です。
レンズを外した後も角膜の形が保持されるため、昼間はコンタクトレンズやメガネを装用せずに、裸眼で生活をすることができます。
オルソケラトロジー治療の原理
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近視・乱視の状態
(レンズ装用前)角膜に近視・乱視があって、光が網膜より手前で焦点を結んでいる状態です。
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レンズを装着した状態
レンズを装着することによって、角膜の形が変化する。
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レンズを外した状態
レンズを外した時に、近視が矯正されて、網膜で焦点が合う。
オルソケラトロジーのメリット・デメリット
Merit メリット
- 手術を受ける必要がなく、非侵襲的な治療法である
- 日中はコンタクトレンズや眼鏡なしで過ごすことができる
- スポーツなどの活動を裸眼で楽しむことが可能
- 子どもにも安心して使用できる
Demerit デメリット
- 視力が安定するまでに一定の時間を要する
- 特殊なコンタクトレンズのケアが必要となる
- 治療を中止すると、視力が元の状態に戻ってしまう
- 保険適用外の治療法であるため、費用がかかる
料金(税込) | 【初年度】両眼 167,000円 片眼 100,000円 【2年目以降】一律 24,000円 ※ケア用品代やレンズ更新代は別途費用がかかります。 |
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治療期間 | 1週間~12ヵ月(1年毎更新) |
治療回数 | 1回~12回 |
検査の流れ
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Step01適応検査(予約制)
オルソケラトロジー治療が出来るかどうかを判断する大切な検査と説明をします。
予約制のため電話、もしくは受付窓口にてお問い合わせください。気になることは何でも、スタッフに聞いてください。- 検査費用として5,500円(税込)が必要です。
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Step02お試し装用
1週間、自宅にて、トライアルレンズをご使用ください。
- 預かり保証金として両眼66,000円 / 片眼33,000円(税込)が必要です。
- お試し装用で中止する場合、保証金は全額ご返却いたします。
- 1週間後の検査で異常がなければ、本装用が可能です。
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Step03本装用
お試し装用に満足し、治療を継続する場合は、追加費用の支払いが必要です。
- 初年度費用、両眼167,000円 / 片眼100,000円(税込)です。
- 初年度費用にはレンズ貸出費用と定期検査の費用が含まれます。
- 詳しくはスタッフにお尋ねください。
- ケア用品代は別途必要です。
※オルソケラトロジーに由来しない検査・治療や学校検診による受診などは別途診療費が必要です。
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Step04定期検診
治療開始後は、3ヵ月毎に定期検診が必要となります。
- 定期検診費用は初年度費用に含まれます。2年目から年間24,000円(ケア用品など消耗品は別途費用が必要)です。(税込)
- ケア用品は、必要に応じてご購入ください。
レンズ交換・紛失時・交換保障
- レンズは2年を目途に交換が必要となります。
- レンズ更新・紛失時交換:1枚41,800円(税込)
- 処方交換、破損・汚損交換:12カ月以内 片眼につき2回無料
オルソケラトロジー使用における合併症と注意点について
- 角膜の炎症、結膜炎、充血、眼ヤニ、痛み、角膜新生血管、感染症、角膜へのレンズの固着、レンズのズレ、角膜浮腫、角膜内皮障害、乱視や光のにじみなどが起こることがあります。これらの合併症は通常のハードコンタクトレンズでも起こりうる合併症です。
- 上記のような合併症が起こらないように、適切なレンズのケアと定期検査を受けることが大切です。
よくある質問
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Q
どういう方に効果がありますか?
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A
近視の度数が軽度から中等度までが、適用とされています。
強度近視の患者様でも、適用がある場合があります。
眼鏡を掛けたくない、スポーツをしたい場合など、日中は裸眼で過ごしたい方に最適です。 -
Q
安全性は大丈夫ですか?
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A
合併症の頻度は通常のコンタクトレンズ使用と同等です。
ただし定期検査と適切な使用方法、レンズのケアが必要です。 -
Q
治療に向かない人はどんな人ですか?
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A
睡眠時間の短い方、うつぶせで寝る方(就眠時にレンズのズレや圧迫が起こりやすい方)、遠視の方、強い乱視がある方、ドライアイのある方です。
適応検査により判断させて頂きます。 -
Q
レンズの扱い方、ケア方法は難しくないですか?
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A
基本的な扱いは通常のハードコンタクトレンズと同じで、それほど難しくはありません。
安全で正しい管理の方法をご指導いたしておりますのでご不明な点があればスタッフにお尋ねください。 -
Q
年齢制限はありますか? 未成年者でも使用できるの?
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A
レンズの管理と取り扱いが可能であれば特に年齢の制限はありません。
2017年にオルソケラトロジーのガイドラインが改定され、それまで使用は適用外とされていた未成年者にも「慎重処方」という条件をつけて、処方が可能となりました。オルソケラトロジーには、近視の矯正だけでなく、近視の進行自体を抑制する効果があることが、近年の研究でわかってきたため未成年者への処方も増加しつつあります。
ただし処方と使用に際しては、間違いのない装用目的とその方法、正しいレンズの管理方法と確実な定期検査・角膜感染症などの合併症リスクなどについて、使用者と保護者は、カウンセリングを受け、十分に理解する必要があります 。 -
Q
近視の進行を抑制するの?
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A
オルソケラトロジーレンズの装用は成長期の子どもの近視進行の予防に非常に効果的である事が報告されています。
国内のデータにおいて2年間で30~60%の近視進行抑制効果が期待できると報告されています。
オルソケラトロジーと低濃度アトロピン点眼の併用療法が、オルソケラトロジー単独療法よりも、強い抑制効果が得られたとの報告もなされています。