近視進行抑制メガネ(DIMSレンズ)
近視進行抑制メガネ(DIMSレンズ)

近年、小児の近視が増加しており、将来的な眼疾患(緑内障、網膜剥離、近視性黄斑症など)のリスクを減らすために、単に視力を矯正するだけでなく「眼軸の延長」を抑制する治療が重要視されています。
その中で、新しい選択肢として注目を集めているのが特殊な構造を持った「近視進行抑制眼鏡」です。
最新の技術:DIMSレンズ(MiYOSMART)の仕組み
香港理工大学とHOYA株式会社が共同開発した「DIMS(Defocus Incorporated Multiple Segments)テクノロジー」を採用したレンズ(製品名:MiYOSMARTなど)は、以下の2つの機能を持っています。
| 中心部のクリアゾーン | レンズの中央(約9mm径)は通常の単焦点レンズになっており、日常生活に必要な視力をしっかり矯正します。 |
|---|---|
| 周辺部の微小セグメント | 中心部の周りには、ハチの巣のように配置された数百個の微小なレンズ(+3.5Dの加入度数)が組み込まれています。 |
| 近視抑制のメカニズム | 微小セグメントを通過した光は、意図的に網膜の手前で焦点を結ぶ「近視性デフォーカス(前方ボケ)」を作り出します。この前方ボケが「これ以上の眼軸の伸長は不要」という信号を脳に送り、近視の進行(眼球が前後に伸びること)を抑える仕組みになっています。 |
臨床研究で実証された効果
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進行の抑制
通常の単焦点レンズと比較して、近視の進行や眼軸長の伸長を約30〜60%抑制することが確認されています。
また、近視が弱いうちから装用を開始すると効果が高いとされています。 - 02
長期的な効果と安全性
香港理工大学による6年間の追跡研究では、6年間ずっと装用した子どもたちは進行速度が悪化することなく、安定して抑制効果が持続したことが報告されました。
視力や眼の発育に悪影響を及ぼすような副作用は見られませんでした。 - 03
リバウンドがない
途中でDIMSレンズの使用をやめて通常の単焦点レンズに戻しても、急激に近視が進む「リバウンド」は見られず、年齢相応の自然な進行に留まりました。
他の治療法と比較したメリット
アトロピン点眼薬やオルソケラトロジー(夜間装着型コンタクトレンズ)といった他の治療法と比較して、眼鏡型は子どもが抵抗なく日常に取り入れやすいという大きなメリットがあります。
副作用も少なく、安全性の高い選択肢とされています。
横にスクロールできます
| 近視抑制メガネ(DIMS) | 低濃度アトロピン点眼 | オルソケラトロジー | |
|---|---|---|---|
| 使用方法 | 日中に眼鏡として装用 | 就寝前に1滴点眼 | 就寝時にハードCLを装着 |
| お子様の負担 | 低い (普通の眼鏡と同様) |
低い (点眼のみ) |
やや高い (ハードCL装着) |
| 副作用 | ほとんどなし | 眩しさ・調節力低下(軽度) | 角膜への影響(まれ) |
| ケアの手間 | 不要 | 不要 | 毎日のレンズケアが必要 |
| 抑制効果 | 約30〜60% | 約40〜60% | 約30〜60% |
国内外での普及状況
海外の状況
フランスなどではすでに「MiYOSMART」として販売されており、5歳から16歳までの高度近視や進行性近視の子供を対象に、公的な健康保険の適用対象となるなど、公衆衛生上の取り組みとして定着しつつあります。
日本の状況
HOYAのMiYOSMART(ミヨスマート)が2026年6月1日から発売されました。
適切な効果を得るために眼科専門医の処方のもと、限られた眼鏡店で販売されています。
当院もMiYOSMARTの処方を行っております。
生活習慣との併用で効果アップ
近視進行抑制眼鏡は、1日2時間の屋外活動などの生活習慣の改善と併用し、しっかり装用時間を守ることで、さらに高い効果が期待できるとされています。
治療の流れ
当院では、診察から眼鏡作成、その後の経過観察まで、近視進行抑制をトータルでサポートいたします。
お子様の視力変化に合わせて適切な管理を継続することが、近視進行抑制の効果を最大限に引き出すポイントです。
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Step01診察
視力検査・屈折検査・眼軸長測定などにより、お子様の近視の状態と進行度を正確に把握します。
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Step02メガネの処方箋発行
検査結果をもとに、お子様に最適な度数を決定し、近視進行抑制メガネ(MiYOSMART)の処方箋を発行します。
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Step03MiYOSMART取扱店での眼鏡作成
処方箋をお持ちいただき、認定された取扱眼鏡店にてMiYOSMARTレンズを使用したメガネを作成します。
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Step04定期的な近視管理診療
装用後も定期的に通院いただき、近視の進行度合いと抑制効果を確認しながら、必要に応じて度数調整を行います。
当院での取り組み

当院は早期から低濃度アトロピン点眼治療に取り組んでおり、近視進行抑制メガネ(DIMSレンズ)の導入にも積極的に取り組んでおります。
低濃度アトロピン点眼のみならず、オルソケラトロジーや近視抑制レンズなど他の近視進行抑制治療との併用にも十分な知識と経験を有しており、お子さま一人ひとりに合わせた最適な近視進行抑制治療をご提案いたします。
近視進行抑制治療にご関心のある方は、お気軽にご相談ください。